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ダンスのこと 第二弾

2022/12/08

深層外旋6筋って知ってる?

股関節を外旋(アンディオール)させるために、小さいけど大事な働きをする深層にある筋肉のことです。

 

バレエやジャズダンスのレッスンで、プリエやタンジュなどターンアウトポジションにする時に

「お尻を締めて」

「お尻の下(坐骨)を内側に集めて」

とか表現はいろいろですが、よく聞きますよね。

 

ほとんどのダンスの先生方は、自分の体の感覚で習得してきたものを伝えているので、その人によって少し表現が違ったりします。

私が20代の時に受けていたバレエの先生は「お尻の穴を一つにして!」と表現されていました、、、内心「お尻の穴は一つなんだけどな~~~??」と思いつつ、言葉の意味を察しながらプリエしていました。(笑)

 

私も解剖学の勉強をするまでは、感覚で伝えていましたが、解剖学を学び、体の仕組みが分かってくると、骨と筋肉の動きがイメージできるので、効率よく動かせるようになり、指導する際も的確に伝えられるようになったと思います。

アンディオールを解剖学的に言うと、「深層外旋6筋を収縮させて、大転子を後方に回す」

言葉だけだと、「なんのこっちゃい??」ですが、骨模型、筋肉のイラストなどを見ると納得できると思います。

 
 
 

深層外旋6筋

         起始           停止          作用

・梨状筋:   仙骨前面、腸骨       大腿骨大転子      股関節の外旋

・上双子筋:  坐骨(坐骨棘、小坐骨切痕)   大腿骨大転子       股関節の外旋

・下双子筋:  坐骨結節          大腿骨大転子       股関節の外旋

・大腿方形筋: 坐骨結節         大腿骨転子間稜      股関節の外旋

・内閉鎖筋:  坐骨・恥骨、閉鎖膜(内面)  大腿骨大転子、転子間稜   股関節の外旋

・外閉鎖筋:  恥骨、閉鎖膜(外面)     大腿骨転子窩      股関節の外旋

全てがお尻の下辺りから始まって股関節を跨いで大腿骨についています。

筋肉は、停止から起始に向かって収縮するので、この小さい筋肉達は全て股関節を外側に回す作用が

あります。

この深層外旋6筋が使えてないと「ニーイントーアウト」となり、膝の怪我の原因となってしまいます。

※ニーイントーアウトの状態

 

そして、もう一つ股関節外旋筋として大臀筋があります。

大臀筋

    起始        停止           作用

腸骨外面、仙骨後面  殿筋粗面、腸脛靭帯  股関節の伸展、腸脛靭帯を緊張・膝関節を伸展させ直立姿勢を保つ、股関節の外転と外旋

筋肉は、インナーよりアウター、小さい筋より大きい筋の方が使いやすいため、ターンアウトポジションで立つ時に、「お尻を締めて」と言われると、この大臀筋をギューッと使ってしまいがちです。大臀筋をしめて立つと「タックイン」の状態となり、脚をうまく使えないし、体幹もうまく使えません。

大臀筋はアラベスク※1でも使いますが、ここでも大臀筋に頼り過ぎると腰痛※2の原因になってしまいます。「直立姿勢を保つ」ので、ターンアウトの軸として力が発揮されます。

※1・2については別の機会にします
でもインナーマッスルはなかなか使っている実感が持てません。

体重がかかった状態(立位)でのトレーニング(プリエ等)だと、股関節外旋可動域が180°開いているような方はまだ良いですが、股関節外旋可動域の狭い人には、大臀筋を使わずにトレーニングをするのはかなり難しいです。

 

そのような場合は、加重がかからないように横になった状態でのトレーニングをお勧めします。

先ずは、筋肉を動かす感覚をつけてからプリエをすることで、どこで頑張ったらいいのかがわ分かりやすくなります。

≪深層外旋6筋のトレーニング≫

① 横向きに寝て膝・股関節を90度に曲げる

② 骨盤が後ろに倒れないように固定して膝を開く

③ もう少し負荷をかけられる方はチューブ使うと良いですね(¥100で売ってます)

 

というトレーニングでダイレクトに深層外旋6筋を刺激(お尻の上ではなく少し下あたりに効いている感じ)してから、更にプリエをする時のアンディオールの感覚をつかむために回転盤を使っていくと、ピシっとセンターが入ります!

① パラレルポジションに立つ

母趾球・小指・踵の3点を同じように踏みながら、アンディオール (土踏まずが落ちないように注意する)

※① と②を何度か繰り返す

③プリエをすると、アンディオールしやすくなります

④ プリエでアンディオールした状態を維持したまま膝を伸ばす

※③ と④を何度か繰り返す

※②と④で開き具合が変わっていきます

写真の方も最初は、

・90度も開けない

・土踏まずが落ちる

・足趾が浮く

・パラレル⇔1stポジション、と動かした時に1stポジションを維持できず不安定

・ドゥミプリエで回転盤を回せない“

という状態でしたが、3回目ぐらいにはしっかり1stポジションを維持できるようになりました!

もちろん、ターンアウトポジションを維持するには、深層外旋6筋や大臀筋以外にも、内転筋や腹筋などの体幹の力も重要ですし、股関節の外旋可動域の違いによっても、それぞれの筋肉を使う割合は違ってくると思います。(そういう話はいずれまた)
 

ダンスでも他のスポーツでも、正しい重心をとり、正しい体の使い方をすることで怪我の防止やパフォーマンスを向上させることもできますが、それぞれのスポーツの特有性、利き脚、利き手、動きの癖、柔軟性の違い、オーバーワークなどが原因で筋バランスが崩れてしまうことはよくあります。

SMiLE整骨院では、「PNF」という運動神経に働きかける、リハビリテーションから生まれた手技を用いて、足底からバランス感覚を整え全身の動きを調整していきます。
 

怪我をした後から調子が良くない、うまくなりたくて練習しても痛みが出るだけでなかなか結果が出ない、等々のお悩みがありましたら、一度ご相談下さい。

 特にダンスをしている方には、PNFでの調整に加えて、それぞれの体のコンディションに合わせて効率よく踊れるように、ダンスの体の使い方をチェックしながら調整していきます。
 

オーダーメイドコースで調整をしているダンサーの方々からは

「ピルエットの後、立っていれるようになったので3回転が安定してきた」

「脚を挙げやすくなった」

「股関節の痛みが軽減してきた」

「体が軽く踊りやすくなった」

などの嬉しいお声も頂いています。

 

ぜひ一度お試し下さい!

Keep smile
 

SMILE整骨院 小口明美

  • SMiLE 整骨院

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